プレ更年期の心得

更年期に近づくと、出てくるさまざまな不調。更年期とは、45~55歳にあらわれる症状です。最近では、30代~40代前半でも不調に悩まされる女性が増加し、この世代を「プレ更年期」と呼んでいます。更年期について紹介します。

Tag:更年期の症状

menopause3

更年期に現れる症状は多種多様のため、40、50代で何らかの不調があると、つい更年期のせいと決めつけてしまいがちです。

でも、何か別の病気があって不調が出ている場合もあります。

更年期以降は病気も徐々に増えてくる時期だけに、重要な病気の発見が遅れてしまうと大変。自己判断は禁物です。

実際、更年期に発症しやすい病気の中には、更年期の不調によく似た症状が出るものがたくさんあります。

更年期の症状ににている病気を紹介します。

甲状腺機能低下症
甲状腺の働きが低下して、全身の代謝が落ち、寒がりや顔のむくみ、体重増加、肌の乾燥などの症状が。血液検査で診断できます。

子宮がん
不正出血は、子宮頸がんや子宮体がんのサイン。特に閉経後の出血は、子宮体がんの可能性があるので要注意。早期発見が重要です。

関節リウマチ
手足の関節の腫れ、こわばり、痛みなどが現れる。1時間以上続く朝の手のこわばりが典型症状。免疫異常が原因。血液検査でわかります。

うつ病
憂うつ、意欲の低下、睡眠障害、食欲不振、倦怠感などの症状が表れ、ひどくなると自殺企図も。吏年期はうつ病になりやすい時期です。

メニエール病
ぐるぐる回るめまいや耳なり、難聴、吐き気などの症状が起こります。女性に多い。ストレスが引き金になることも。耳鼻科で受診を。

menopause1

女性の体は女性ホルモンに守られ、毎月の月経、妊娠・出産、そして女性らしい体形やみずみずしい肌、つややかな髪これらはみんな女性ホルモンの恩恵です。

でも、いずれ女性ホルモンは働きを終える日を迎えます。
それが閉経です。

医学的には、1年以亅月経がないと閉経と見なされます。つまり、閉経したがどうかは後になって初めてわかるものなのです。

個人差はありますが、多くの女性は50歳前後で閉経します。

更年期とは、この閉経を挟んだ前後10年間のことです。

卵巣機能が衰えて生殖できない体へと変化する移行期であり、思春期と並ぶホルモンの大変動期でもあります。

これは女性なら誰もが通る道。外見が若くても、どんなに健康に気を使っていても、更年期を避けることはできません。

更年期には疲労や肩こり、のぼせ、動悸、めまいなど、いろいろな症状が起こりやすくなります。

代表的な症状はのぼせや発汗ですが、実際は後ろの表に示したように多種多様。

更年期の症状が日々変わる人もいます。

menopause6

更年期の症状がでたら婦人科の病院へ一度受診してみましょう。

本当は病気になっていることが原因で、その症状があらわれている場合かおるにもかかわらず何から何まで「更年期だから」と片づけてしまうのはよくありません。

その症状は更年期に似た病気の症状かもしれません

たとえば、月経がくる予定ではない時期に出血する不正出血は、更年期に生じる女性ホルモンのバランスの乱れによって起きますが、子宮ガンやポリープ、膣炎といった病気の可能性もあります。

また、更年期の不調な症状の代表例  突然汗をかいたり、動悸や息切れ、冷えやむくみが強いことも、甲状腺ホルモンの機能障害によっても起こりうるものです。

この年代には、バセドウ病や橋本病といった甲状腺ホルモンに関連する病気も多くみられます。

更年期に該当する年代の女性は、子どもの受験や巣立ち、親の介護で忙しかったり、責任のある仕事を任されたり、近しい人の病気や死に直面したりと、女性ホルモンのバランスの変化だけでなく、社会的・環境的な要因によっても体内環境が乱れがちです。

加齢による老化が顕著になりだし、病気のリスクも高くなってくる時期です。

ですから、健康診断や人間ドックを会社で義務づけられていない方々にも、意識的に受診してもらいたいものです。

更年期からの女性が意識すべきは、「自分が更年期かどうか」という時期や、「○○歳だから、もう閉経する」といった年齢による決めつけではなく、実際に自分のカラダのなかで生じている体調の変化への気づくことです。

walking

運動には気持ちを上向きにし、更年期のうつを改善する働きがあります。

更年期におすすめな運動は、ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動です。

体を動かすと脳や全身の血流がよくなり、脳内で、気持ちを落ち着けるセロトニンという物質も増加します。

また、運動をすると肉体的な疲労から、夜もぐっすり眠れるようになります。

運動習慣と更年期症状との関係を調べた研究では、40代で適度な運動をしていた女性は、ほとんど運動をしてい
なかった人や激しい運動をしていた人に比べ、更年期うつになる割合が少なかったと報告されています。

また閉経後は、カロリーを消費する月経がなくなることで、基礎代謝がガクンと減ります。ここで運動もせずに、今まで通りの食事をしていたら、確実に太ります。

女性ホルモンの分泌が減ることで、内臓脂肪がっきやすくなります。しかし、内臓脂肪は運動することで解消しやすいのが特徴です。

今後、骨や関節の健康を保つためにも、この時期に運動を習慣にして、筋肉をつけることが必須です。

menopause4

約8割の人が、「ほとんど気にならない」「気になるが生活に支障はない」と答えています。企業などの調査結果などでも、生活に支障がでる「更年期障害」と呼ばれるような強い症状に悩まされるのは1~2割程度で、多くの人はやり過ごすことができる程度のつらさですんでいるようです。

問題は生活に支障があるほどの症状かおるにもかかわらず、治療を受けていない人が多いことです。

日本更年期医学会(現・日本女性医学学会)の2010年の調査では、本来治療が必要な症状であるにも関わらず、治療を受けていない人が約6割もいました。

調査結果からは、ホルモン補充療法などの治療法に対する理解不足や誤解が受診率の低さの原因になっている面が浮かび上がりました。

つらいときは我慢せずに早く治療を受けたほうが、結果的に時間のロスも減らせます。

強く感じる更年期の症状は、閉経の前と後で違いがありそうです。

閉経前には疲れや肩こりなどの不定愁訴や、気分の落ち込み、フラフラといった精抻面でのつらさを感じる人が多いのに対し、閉経後はほてり、発汗、冷えといった自律神経失調の症状をつらく感じる人が多くなる傾向があるようです。

また更年期の症状は閉経前後の2、3年がピークで、その後は徐々に軽減していく人が多いようです。

これまでの研究から更年期の症状が続く期間は5年前後というのが一般的と考えられています。

どんな人も更年期の症状は必ず治まります。

もし閉経後も年単位で症状が強くなったり、5年以上経っても症状が消えなかったりする場合は、何かほかの病気が隠れている可能性がありますから、医師に相談しましょう。

PMSの人は更年期にもつらい症状が出やすい
アメリカの研究で35~47歳の米国女性436人を5年間追跡。PMSがなかった人を1としたとき、あった人は
ホットフラッシュが2.1倍、抑うつか2.3倍など、更年期の症状を経験するリスク高い。

↑このページのトップヘ