プレ更年期の心得

更年期に近づくと、出てくるさまざまな不調。更年期とは、45~55歳にあらわれる症状です。最近では、30代~40代前半でも不調に悩まされる女性が増加し、この世代を「プレ更年期」と呼んでいます。更年期について紹介します。

Category: プレ更年期

38歳、39歳、40歳と、徐々に卵巣機能が低下してプレ更年期が始まる人が増え始めます。

なかには30代半ばでも、何らかの理由で卵巣機能が低下し、プレ更年期が始まる人もいます。

それは卵巣に負担がかかるからで、その負担が大きいと卵巣機能が早く低下してしまいます。

卵巣への負担がかかる原因としては、ストレス、睡眠不足、栄養不足、病気、喫煙など。

日本人女性は、45歳~50歳が更年期の始まりで、急にさまざまな症状を感じ始めます。

これは、だれにでもおとずれる、年齢による卵巣機能の低下です。

プレ更年期はその前に起こる体調変化ですが、これも多くの女性が通る道なのです。



headache

女性に多い頭痛には、生理周期にともなったものがあります。生理前、生理中に出る片頭痛は、まさにそうです。片頭痛だけでなく、めよいや耳鳴りも、女性に起こりやすい症状です。

肩こりからくる緊張性頭痛もよくあります。プレ更年期になると起こりやすく今まで頭痛やめまい、耳鳴り、肩こりになやまされなかった人も感じることがあります。

女性ホルモンの分泌が落ちると、免疫力も落ちてきて、口内炎、外陰部のかゆみ、歯ぐきの腫れ、風邪を引きやすい、膀胱炎になりやすい、筋肉痛なども起こることがあります。


頭痛の原因は生理前に起こる不調と同じ

突然起こった生理の周期に関係ない頭痛は、ひどいようなら一度、専門の頭痛外来、脳神経外科などを受診してみましょう。

片頭痛は、女性に多く、生理の周期と関係していて、女性ホルモンの分泌量が不安定なときに起こりやすいのです。

プレ更年期になってから起きた、排卵後から生理直前の頭痛やほかの体や心の不調は、月経前症状といいますが、更年期の予行演習だと思っでもいいかもしれません。

更年期に起こる不快症状は、生理前の時期に起こる体や心の不調と似ています。それは、どちらも女性ホルモンが低下したさいに起こりやすい症状です。

annoyed

意味もなくイライラして人にあたってしまう

イライラして、怒りっぽくなるのは、プレ更年期に多い心の症状です。

わけもなくイライラして周りの人にあたってしまったり、また、なんということはないことに怒ってしまうことも。

あとでそんな自分を後悔し、ますますイライラしてしまうという悪循環におちいります。

済んだことなのにクヨクヨと思い返してしまい、またイライラ、ムカムカが募ります。

現代女性は、ストレスを感じ、悩み、抱えこんで我慢している人が多くいます。

女性ホルモンには心をコントロールする作用も

女性ホルモンのエストロゲンには、人間の行動や情動、情緒などを安定させる作用まであります。

ですから、更年期に向かって、エストロゲンが低下すると、これらのコントロールがうまくいかなくなり、精神的に不安定になってくる人がいます。

近年、メンタル系の脳の働きと、ホルモンとの関係が解明されつつあります。

女性ホルモンは、心の安定をはかるセロトニン分泌と関係しています。女性は男性よりセロトニンの合成速度が遅いこともわかっています。

女性はもともとメンタルな立ち直りに時間がかかり、そのうえ女性ホルモンが下がると、よけいにセロトニンの分泌が低下してしまうのです。ここからも、女性にはメンタル系の対策が不可欠であることがわかります。

自分のストレス発散法を確保して


サプリメントを利用する手も。セントジョーンズワード、イランイラン、カモマイル、ラベンダー、ローズ、ジンジャーなどの八-ブは、気持ちを穏やかに明るくする作用があります。

これらは昔から、伝統的医療にも多く使われている八-ブです。
日光を浴びる戸外運動も効果的です。林や森、湖、川、海を見て歩くだけでも、精神的に上向きになれます。

また水や木には、マイナスイオン、フィトンチッド効果も。昔から海洋療法があるくらい、海も心と体を穏やかにしてくれます。植物や動物などの世話で小さなメンタルケアをしたり、買い物、エステ、ネイルサロンなど小さな楽しみを見つけることも大切です。

sleep

更年期の心身の疲れを取るには寝るのが一番です。睡眠不足は心身の不調のもとです、頭と体を休ませることで気分がすっきりします。眠りの質が悪くなりがちな更年期には、睡眠時間をきちんと確保するとともに、ぐっすり眠れるような工夫をすることが大切です。

寝る前にホットミルク
牛乳には気持ちを落ち着かせる作用があり、不安やイライラを防ぐカルシウムも豊富です。体を冷やさないよう、温めて飲みましょう。シナモンを入れて温めたりしてください。シナモンは血行を促し、さわやかな香りにはリラックス効果もあります。


寝具を見直してみる
寝つきの悪さには、枕が合っていなかったり、寝具の寝ごこちがよくないことが影響している場合もあります。気持ちよく眠れるよう、寝具を見直し、整えてみましょう。


寝る前にストレッチ
肌寒い夜など、体が冷えて寝つけないことがよくあります。寝る前に血行を促すストレッチを行ったり、体を効果的に温めるグッズを利用して、冷えを予防解消することが快眠への道です。

股関節をストレッチ

脚は血流が悪くなりやすく、冷えやすい場所です。脚が冷えると全身に冷えが回ってしまうため、脚の血行をよくすることが重要です。脚の太い血管が集まっている股関節をストレッチすれば、効率よく血流が促せます。

①右手を壁に突き、左手で左の足首の少し上あたりをつかむ。背すじをまっすぐに保ちながら、左手で左足のかかとをおしりのほうへ引き寄せる。ゆっくり呼吸しながら、そのままの姿勢を30秒ほどキープ。反対側も同様に行う。

②床に座って両足裏を合わせ、両手で両足をつかんで、できるだけ手前に引き寄せる。背すじをまっすぐに保ちながら、ひざが床につくように脚を開いていく。痛くなる手前で止めて、ゆっくり呼吸しながら、そのまま30秒ほどキープする。


夜に激しい運動をすると、体を活動モードにする交感神経が優位になって、寝つきが悪くなります。またタバコは体によくないのはもちろん、血行を悪くするもとです。そして更年期は自分をいたわり、自分を優先させるべき時期です。自分がしたいことをして、休みたいときには休んでください。

43歳未満で閉経を迎えることを早期閉経といい、通常の閉経と同じように更年期症状が出ることがあります。
特に不快な更年期の症状や不自由がなければ、そのまま月経を戻す治療をしないというのもひとつの選択肢です。

ただ、閉経するとコレステロール値が跳ね上がったり、骨粗しょう症のリスクが上がったりするので、注意が必要です。

骨密度などを考えると、やはり40代前半の閉経は早い。月経を戻す治療をすることもあります。40代から結婚、妊娠ということもあり得ます。

もし妊娠したいなら月経を戻すのはもちろんのこと、一刻の猶予もありません。すぐに体外授精なども視野に入れた専門医によるケア、が必要です。

また閉経前後は月経なのか不正出血なのか見極めが難しいです。

不正出血があるときは子宮がんや子宮筋腫の疑いがあるので、月経の様子がいつもと違ったら受診を。

動悸や急な発汗、めまいなどは甲状腺の異常やパニック障害が原因になっていることもあります。

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