セックスのときに痛みを感じやすくなります。小陰唇が周りにぺ夕ッと、くっついた感じになったり、乾燥して痛みが生じ不快です。口、鼻、目にもうるおいが大事なのと同じで、膣や外陰部の粘膜が乾燥することで痛みや不快を感じます。
かゆみや痛みは粘膜か弱くなって、薄く萎縮してくることで起こってきます。また、分泌物が減ると湿り気がなくなり乾燥します。粘膜は、湿り気かおることで、ばい菌などの感染から守る働きがあります。湿り気がなくなると、粘膜は傷つきやすく、外からの細菌が侵入しやすくなります。

粘膜のうるおいがなくなってしまう

きつい下着で外陰部を締めつけたり、おりものシートで擦れることで炎症が起こることもあります。歩いても立ったり座ったりしてもすれて痛みます。どの年代の女性でも、かいたり、すれたりは避けるように工夫してください。

ただし、プレ更年期の場合、女性ホルモンの低下で粘膜がより弱くなっています。女性ホルモンは、粘膜をふっくらさせるだけでなく、子宮の頸管からの粘液を分泌させる働きもあります。女性ホルモンが
豊富に出ているときは、粘液の分泌も活発ですが、女性ホルモンの分泌が低下すると、分泌液(天然のクリーム)も少なくなります。すると、膣も乾燥して痛みが生じやすくなるのです。

女性ホルモンがもっとも分泌されるのが妊娠中です。ふだんの生理周期のときに、女性ホルモンの分泌が増えるのは、なんといっても卵巣から卵を出す排卵時。それと排卵から生理(月経)までの黄体期に女性ホルモン量は増えます。その時期は粘膜もうるおいがあって、ふっくら。おりものが自然に多いと感じる時期です。

ところが、女性ホルモンの分泌が悪くなると、排卵もなくなり、生理前に胸が張らなくなるなどの自覚症状を感じます。同時に膣の粘膜にもうるおいが少なくなり、乾燥して、痛みを感じやすくなるのです。

乾きを防ぐアイテムはいろいろ

●ゼリーを上手に活用して
「メノケアモイストゼリー」といって、膣のうるおいを補充してくれるゼリーが売られています。女性ホルモンは入っていませんが、膣や外陰部の粘膜の湿り気、うるおい補充を目的としたゼリーです。日
本家族計画協会で売っていますし、産婦人科でも手に入ります。このゼリーで楽になる人は多いので、つらい人は試してみてください。性交畤の潤滑ゼリーとしては「リユーブゼリー」というゼリーを使いますが、「メノケアモイストゼリー」は、性交時以外の、痛みなどの不快症状軽減のために使用します。
膣の乾燥は、なかなか恥ずかしくて婦人科に相談しにくい症状です。乾いて、張り付いて気持ち悪いというのは、とてもいいにくいですね。
でも、緩和できる方法があると知っていれば、気持ちが楽になるのでは。日本家族計画協会(ホームページも有り)に問い合わせれば、自分で注文し入手することもできます。