プレ更年期の心得

更年期に近づくと、出てくるさまざまな不調。更年期とは、45~55歳にあらわれる症状です。最近では、30代~40代前半でも不調に悩まされる女性が増加し、この世代を「プレ更年期」と呼んでいます。更年期について紹介します。

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女性に多い頭痛には、生理周期にともなったものがあります。生理前、生理中に出る片頭痛は、まさにそうです。片頭痛だけでなく、めよいや耳鳴りも、女性に起こりやすい症状です。

肩こりからくる緊張性頭痛もよくあります。プレ更年期になると起こりやすく今まで頭痛やめまい、耳鳴り、肩こりになやまされなかった人も感じることがあります。

女性ホルモンの分泌が落ちると、免疫力も落ちてきて、口内炎、外陰部のかゆみ、歯ぐきの腫れ、風邪を引きやすい、膀胱炎になりやすい、筋肉痛なども起こることがあります。


頭痛の原因は生理前に起こる不調と同じ

突然起こった生理の周期に関係ない頭痛は、ひどいようなら一度、専門の頭痛外来、脳神経外科などを受診してみましょう。

片頭痛は、女性に多く、生理の周期と関係していて、女性ホルモンの分泌量が不安定なときに起こりやすいのです。

プレ更年期になってから起きた、排卵後から生理直前の頭痛やほかの体や心の不調は、月経前症状といいますが、更年期の予行演習だと思っでもいいかもしれません。

更年期に起こる不快症状は、生理前の時期に起こる体や心の不調と似ています。それは、どちらも女性ホルモンが低下したさいに起こりやすい症状です。

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意味もなくイライラして人にあたってしまう

イライラして、怒りっぽくなるのは、プレ更年期に多い心の症状です。

わけもなくイライラして周りの人にあたってしまったり、また、なんということはないことに怒ってしまうことも。

あとでそんな自分を後悔し、ますますイライラしてしまうという悪循環におちいります。

済んだことなのにクヨクヨと思い返してしまい、またイライラ、ムカムカが募ります。

現代女性は、ストレスを感じ、悩み、抱えこんで我慢している人が多くいます。

女性ホルモンには心をコントロールする作用も

女性ホルモンのエストロゲンには、人間の行動や情動、情緒などを安定させる作用まであります。

ですから、更年期に向かって、エストロゲンが低下すると、これらのコントロールがうまくいかなくなり、精神的に不安定になってくる人がいます。

近年、メンタル系の脳の働きと、ホルモンとの関係が解明されつつあります。

女性ホルモンは、心の安定をはかるセロトニン分泌と関係しています。女性は男性よりセロトニンの合成速度が遅いこともわかっています。

女性はもともとメンタルな立ち直りに時間がかかり、そのうえ女性ホルモンが下がると、よけいにセロトニンの分泌が低下してしまうのです。ここからも、女性にはメンタル系の対策が不可欠であることがわかります。

自分のストレス発散法を確保して


サプリメントを利用する手も。セントジョーンズワード、イランイラン、カモマイル、ラベンダー、ローズ、ジンジャーなどの八-ブは、気持ちを穏やかに明るくする作用があります。

これらは昔から、伝統的医療にも多く使われている八-ブです。
日光を浴びる戸外運動も効果的です。林や森、湖、川、海を見て歩くだけでも、精神的に上向きになれます。

また水や木には、マイナスイオン、フィトンチッド効果も。昔から海洋療法があるくらい、海も心と体を穏やかにしてくれます。植物や動物などの世話で小さなメンタルケアをしたり、買い物、エステ、ネイルサロンなど小さな楽しみを見つけることも大切です。

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更年期の症状がでたら婦人科の病院へ一度受診してみましょう。

本当は病気になっていることが原因で、その症状があらわれている場合かおるにもかかわらず何から何まで「更年期だから」と片づけてしまうのはよくありません。

その症状は更年期に似た病気の症状かもしれません

たとえば、月経がくる予定ではない時期に出血する不正出血は、更年期に生じる女性ホルモンのバランスの乱れによって起きますが、子宮ガンやポリープ、膣炎といった病気の可能性もあります。

また、更年期の不調な症状の代表例  突然汗をかいたり、動悸や息切れ、冷えやむくみが強いことも、甲状腺ホルモンの機能障害によっても起こりうるものです。

この年代には、バセドウ病や橋本病といった甲状腺ホルモンに関連する病気も多くみられます。

更年期に該当する年代の女性は、子どもの受験や巣立ち、親の介護で忙しかったり、責任のある仕事を任されたり、近しい人の病気や死に直面したりと、女性ホルモンのバランスの変化だけでなく、社会的・環境的な要因によっても体内環境が乱れがちです。

加齢による老化が顕著になりだし、病気のリスクも高くなってくる時期です。

ですから、健康診断や人間ドックを会社で義務づけられていない方々にも、意識的に受診してもらいたいものです。

更年期からの女性が意識すべきは、「自分が更年期かどうか」という時期や、「○○歳だから、もう閉経する」といった年齢による決めつけではなく、実際に自分のカラダのなかで生じている体調の変化への気づくことです。

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